【10,000冊PJ 19冊目】

『土漠の花 』

著者:月村了衛      発行日:2014/9/18

評価:★★★★☆  (所要時間: 6時間)

読破冊数: 19/100冊

 

■こんな人におすすめ

プライベートライアンや戦争映画が好き

・テレビで紛争地域の報道を見ても「ふーん」としか思わない

・今の自分の生き方が生ぬるいと思っている

 

■概要

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、命を賭けた戦いの幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を向く。最悪の状況のなか、ついには仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか? なぜ救援が来ないのか? 自衛官は人を殺せるのか? 

 

通常思いを馳せることのない、現場を見せつけられる。

 

読み終わった後に昂ぶっている自分を感じる。

壮絶な世界があるんだということと、そこをくぐる抜けてきた人の生き様が心に響く。

 

純粋にすごく楽しかったし、映画を見ているような感覚で読み終えることができた。

 

 

■この本から学んだこと

 

・本気で生きるとはどういうことかいうこと

 

→フィクションとはいえ、ソマリアの現場が描かれていて、戦場の悲惨さや世界情勢、金や資源のために多くの犠牲になっている人がいるということ、人間の弱さ、葛藤、答えのないことに答えを出す難しさ、人間関係、、、いろんなことが描かれていて、考えさせられる。

本当に自分は幸せだし、恵まれている。自分の悩みって小さい!って思える。

 

 

自衛隊の皆さんに感謝の気持ちが湧く

 

→去年ヒッチハイク中に自衛官の方にも何人かあったけど、本当に危険なところに行ってくれているんだな。こういうリスクを背負って、活動してくれているんだなって思うと本当ありがたいし、かっこいいと思う。(そして活動後の現地での評判もすごくいい)

テレビの向こう側って思っている戦争・紛争地域の状況が少しだけ垣間見えた感じがします。

 

 

・答えのないことに答えを出していく勇気

 

→正解はない。正義と悪の境目もない。判断が遅ければ死ぬ。自分だけでなく、仲間も一緒に死ぬ。罪のない人の命も奪う。その責任を背負うリーダーの苦しさ。

自分もリーダーを務めることが多々あるが、そこで瞬時に決断していく勇気や、その判断基準をもつために日頃から考えること、決めることをしていく。そのために自分と向き合って、自分の価値観を明確にしていくこと、生き方の軸を持つことをこれからしていきたい、と思った。

本当に僕たちは幸せな世界に生きています。

 

小説をひさしぶりに読んだけど、こうやって通常ではありえないシチュエーションで自分はどうするか、を考えたり、心の動きを観察したりすることがすごく勉強になった。

ストーリーがあることで記憶にも心にも残るなって感じました。

 

 

≪目次≫

なし